今日のLSI(2),Today’s LSI 2:超並列電子源用LSI, LSI for MPEBDW


今日もLSIを紹介しようと思います。こちらは超並列電子源用の専用LSIです。超並列電子源は、英語ではMassively Parallel Electron Beam Direct Write (MPEBDW) lithography systemと呼んでいます。このLSIの上にMEMS技術で作製したnc-Siのエミッタ(100×100個)を形成します。LSIで駆動(エミッタの両端に15V程度かける)するとnc-Siから電子が飛び出してきて、電子線描画用フォトマスクをリソするわけです。システム性能的には10nm描画ができるようになっています。これだけ、小さな描画を電子線で行うとなると、光での描画と違って一筆書きのため、とても時間がかかってしまいます。それを超並列(このシステムでは10,000並列)で行うことで、実用的な時間内でマスク描画を行うというわけです。詳細はここでは書ききれませんが、かなりクレージーな技術満載で研究開発を進めています。私は主にLSI開発の部分を担当しています。東芝→日本TIを渡り歩いてこられた現役バリバリの技術者の方と一緒に開発を進めてきました。このLSIもじっくり眺めるのにおススメです。設計は外部に頼んでいますが、設計思想が面白く、それを実現しているこのLSIは手前で見ても、奥で見ても、楽しさ満点です。見たい方は私までご連絡を。